WindowsXPのサポートは2009年4月に、セキュリティの更新を除いて終了しています。さらにこの4月9日でセキュリティ更新も含め、全てのXP及びOffice2003に関するマイクロソフトのサポートが終了致します。
サポートの終了によって、今後OSに発生する脆弱性やセキュリティ上の不備に関しては、XPを使用していると危険な状態が続きます。
うちはセキュリティソフトを入れているから大丈夫だ、と思っておられる方もいらっしゃるかも知れません。しかし、セキュリティソフトもOSに依存する部分があるので、OS側のセキュリティ対策に穴ができ、それがふさがれない状態になると、ウィルスへの感染や違法サイトへの踏み台にされるなど、様々な危険が伴います。
「可能性の問題だろう?」という考え方もあります。もちろん、サポートが終了したとたんに、全てのパソコンに支障が出るわけではありません。しかし、サポート終了直後から、狙われやすくなる、攻撃が激しくなる、つまり可能性が以前より高くなるのは必然です。
自社のコンテンツが消えた!などは最悪の場合でも自己責任ですが、顧客や取引先に、知らぬ間に迷惑をかけることさえあります。津波対策ではありませんが、ネット社会のビジネスは、想定を高くして対処する方がより安心してビジネスを行うことができるのです。
また、XPが動いているパソコンの多くは、ハードそのものが古いことが多いと思います。
XPは2001年のイシューですから、古いパソコンですと7や8を動かすのが難しい場合もありますが、それが壊れるまで……のような考え方はやはり危険ですので、せめてOSの乗り換えができるかどうかから検討しましょう。
Office2003のサポートも同日で終了し、こちらも使い続けると危険があります。また、Officeは2007から拡張子がdoc→docx / xls→xlsx と変わったように内部構造も変わっています。
現在の最新バージョンは2014ですが、このバージョンから購入時のアップグレードという考え方がなくなりました。2003を持っていても持っていなくても価格は一緒と言うことです。Office365という定額制のサービスもありますので検討してみるといいと思います(初期導入費用は抑えられます)。
機能的には、保存場所にクラウドが使えるなど様々な面でグレードアップしています。
2003からアップグレードすると、ツールバーの変化に驚くと思いますが、こちらも慣れれば使いやすいはずです。
WindowsXPから7/8への乗り換えは、単純に上からインストールすればいいわけではありません。クリーン・インストールといって、内容をまっさらにしてインストールします。
ですので、一番簡単で実は効率もいいのが、新規にパソコンを購入してから、古いパソコンのデータや設定を移行することです。
先ずは新規の7/8のパソコンへの移行について説明致します。
1.WIndows転送ツールを利用する(下準備)
WIndows転送ツールとは、XPの環境のベースになる部分を、ソフトウェアが自動で収集して、新しいパソコンに移行してくれるソフトのことです。尚、ソフトウェアという言葉はハードに対する用語で、多くは何かの作業をするプログラムされた有償無償の製品についてをいう言葉でしたが、同時に同じものを表現する言葉としてアプリケーションという言葉があり、スマホやタブレットでは略してアプリと呼ばれ、現在のWindows環境でもアプリという表現に移行しているようです。
さて、移行の前にまず以下をチェックして、必要な項目を対処しましょう。。
●移行前に確認したいチェックリスト
● アプリをインストールするためのメディアが手元にあるか? | Windows転送ツールでは移行できないので、手動でインストールし直す必要がある |
● WlndowsXPで使っていたアプリがWindows8/7でも動作するか? | 未対応の場合はバージョンアップや同じ用途の別アプリの利用を検討する |
● 年賀状ソフトや家計簿ソフトなどアプリ内に独自形式で保存されているデ一夕がないか? | 事前にデータを[マイドキュメント]などにエクスポートし、移行後にインポートする |
● 独自に開発した業務アプリの設定やデータはないか? | 設定をメモしておき、データは[マイドキュメント]などにコピーし、移行後にインポートする。 これも新OSに対応していない場合には、アップデートが必要です。開発元に確認して下さい。 |
● アプリでメニューやキ-一操作をカスタマイズしていないか? | 設定情報やキー定義をエクスポートしておき、後から適用する |
● 一部のWebページやアプリに設定したlDやパスワードは? | lDやパスワードをメモし、移行後に設定し直す |
● アドオンなどアプリの追加モジュ-ルやその設定は? | 移行後にアドオンを追加し直し、再設定する |
● フォントやドライバ-は? | 手動でコピー、またはインストールし直す |
●古いパソコンから新しいパソコンへ移行できるデータ
データ
文書 | ワープロの文書や表計算のシートなど、[マiイドキュメント]フォルダーに保存されているソフトウェアで作成された各種ファイルを移行できます。 |
画像 | デジタルカメラから取り込んだ写真、図版などの画像ファイルなど、[マイピクチャ]フオルダーに保存されている画像ファイルを移行できます。 |
音楽 | 音楽CDからパソコンに取り込んだり、インターネット上の音楽配信サイトなどから購入し、[マイミュージック]フォルダーに保存されているファイルを移行できます。 |
映像 | デジタルビデオカメラから取り込んだ映像など、パソコンに保存されている映像ファイルを移行することができます。 |
メールデータ | Outiookなどのメールソフトで送受信したメールのデータ、メールの宛先として利用するアドレス帳のデータを移行することができます。 |
インターネット設定 | インターネットへの接続方法の設定、lnternetExplorerで利用しているお気に入りやCookieの設定などを移行できます。 |
プログラムの設定 | パソコンにインストールされているソフトウェアの設定を移行することができます。ただし、すべてのソフトウェアの設定を移行できるとは限りまぜん。またソフトウェア自体を移行することもできません。 |
ユーザーアカウントの設定 | パソコンにログオンするときに利用するユーザーアカウントを移行できます。また、ユーザーアカウントことに個別に設定されているデスクトップの壁紙、スクリーンセーバー、フォルダーやウィンドウの設定など、個人用の設定も移行できます。 |
新しいパソコンに移行する場合、古いパソコンが残っていますので、移行後にそちらを参照すれば済む項目も多いですので、移行後に修正できます。
2.WIndows転送ツールの利用(下準備:メール)
Windows 転送ツールのページから、ダウンロードし、インストールします。現在、Windows7用のページですが、Windows8でも同じです。
※Outlook Expressをご利用の方
Windows7/8にはOutlook Expressがありません。また、Outlook ExpressとOutlookは別のアプリです。OutlookはOfficeに付属のソフトですので、それをお使いの場合は問題ありませんが、XP標準で付属していたメール・アプリOutlook Expressの場合には、転送ツールではメールの内容を引き継ぐことができません。
そこで、事前にOutlook Expressの内容をWndows Live メールなどに移し替えておきます。既にOFFICEをお使いで(2007以降)Outlookがインストールされていれば、起動すればOutlook Expressからのインポートが可能です。
Windows Live メールは こちらからダウンロードできます。Windows Essentialsというスイートに同梱されています。こちらもインストール後の初期設定で、Outlook Expressからのインポートができます。
準備が整いましたら、三つの方法から選択が可能です。
- 外部記憶装置を経由しての移行
- ネットワークを介しての移行
- 専用ケーブルを利用しての移行(2,000円〜で、家電量販店などで購入できます)
です。
2,3は、いずれにしましてもネットワーク経由での直接移行になり、1の場合のみ、一旦別の機器に移したものを、新たなマシンに移行させるという方法です。
先ずは、外部機器を使う方法から。
3.Windows転送ツールを利用してデータを外部メディアに移動する
まずXPで、Windows転送ツールを起動します。
▼ 転送方法の選択
▼ 転送元のコンピュータであることの確認
▼ 転送内容の選択
▼ パスワードの入力(省略可能)
▼ 転送データの保存先を指定
▼ 確認
▼ 終了
手順を画像で表示
※データを仲介する外部の保存機器は、容量がある程度余裕のあるハードディスクなどを選んだ方がいいと思います。現在の環境にもよりますが、後々、バックアップメディアとしても利用可能です。
※Thunderbirdをメールクライアントとしてお使いの方は、こちらを参考に、転送時にThunderbirdのファイルにチェックを入れて下さい。
4.Windows転送ツールを利用してデータを外部メディアから新しいPC に移動する(Windows7)
▼ Windows7で「全てのプログラム」を表示する
▼ Windows転送ツールを起動する
▼ 転送する方法を選択する
▼ 転送先のコンピュータであることを確認
▼ 古いデータがあるかどうかの確認
▼ 転送するファイルの選択
▼ パスワードを設定した場合には入力
▼ 転送する内容を選択
▼ 転送を完了
▼ コンピュータの再起動
▼ 終了
手順を画像で表示
5.Windows転送ツールを利用してデータを外部メディアから新しいPC に移動する(Windows8)
▼ 検索チャームを表示する
▼ Windows転送ツールを起動する
▼ 転送する方法を選択する
▼ 転送先のコンピュータであることを確認
▼ 古いデータがあるかどうかの確認
▼ 転送するファイルの選択
▼ パスワードを設定した場合には入力
▼ 転送する内容を選択
▼ 転送を完了
▼ コンピュータの再起動
▼ 終了
手順を画像で表示
6.ネットワークを通じてWindows転送ツールを離礁してデータを移動する
ネットワーク、あるいはUSB接続の転送ケーブルを利用する場合は、2台が接続されていることを確認し、まず古いパソコンで「Windows転送ツールキー」を取得し、新しいパソコンでそれを入力します。
後は上記のケースと同様、移動するファイルを選び、転送します。
6.パソコンを変えるときの注意事項
- 転送ツールを使った転送は、思いの外時間がかかる場合がありますので、時間的余裕を見て行いましょう。
- 転送ツールで古いパソコンの全ての環境、全てのデータ、全てのプログラムが移転できるわけではありません。
- 古いパソコンのデータ(Mydocumentsの中身、C:\Documents and Settings\ユーザー名\Application Data\)などをバックアップしておくといいでしょう。
- Application Dataフォルダは通常は見えませんのでエクスプローラ(Internet Explorerではありません)のメニューにある、ツール→フォルダオプション→表示の中の「詳細設定」にある「すべてのファイルとフォルダを表示する」にチェックし、「保護されたオペレーティングシステムファイルを表示しない」のチェックを外すと見えるようになります。
- 転送できないプログラムは、後から新しいパソコンに新ストールする必要があります(新しいOSに対応していない場合、不具合が生じたり、場合によってはインストールができない場合もあります)。